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フルーツ トピックス

2014.05.09投稿

フルーツ科学ニュース5
グレープフルーツと薬の関係

すべての薬がグレープフルーツと相性が悪いのではありません

「グレープフルーツは好きだけれど、薬の副作用があると聞き、食べるのをやめた」「グレープジュースは健康にいいので毎日飲んでいたが、薬を処方されたのでやめた」という人がたくさんいます。

でもすべての薬がグレープフルーツ(ジュース)との相性が悪いわけではありません。

グレープフルーツには健康に良い成分もたくさん含まれています。このコラムを読んで、グレープフルーツと薬の関係を正しく理解し、必要がない人まで、グレープフルーツを敬遠することがないようにして、グレープフルーツのおいしさを楽しんでください。

グレープフルーツ(ジュース)と相性が悪い薬の代表的なものには、次のようなものがあります。

グレープフルーツ(ジュース)と相性が悪い薬の代表例

■カルシウム拮抗薬(高血圧や狭心症の薬、血圧を下げる働きがある)
 ニフェジピン、ニソルジピン、フェロジピンなど

■コレステロール低下薬(高脂血症の薬、血液中のコレステロールを減らす働きがある)
シンバスタチン、アストロバスチン、プラバスタチンなど

■抗不安薬(脳の神経をしずめ、不安や緊張感をほぐし、寝つきをよくする働きがある)
トリアゾラム

■免疫抑制剤(免疫の働きを抑える薬で臓器移植後の拒絶反応を予防したり、免疫系の病気に用いる)
シクロスポリン

グレープフルーツのある成分によって、薬の効き目が強くなってしまう

どうしてグレープフルーツは上記の薬と相性が悪いのでしょうか? 簡単に言うと「グレープフルーツのある成分によって、薬の効き目が強くなってしまう」からです。薬の説明(注意書)には「グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなるおそれがあります」と記載されています。

グレープフルーツのどの成分が、薬の効き目を強くしてしまうのでしょうか? そのメカニズムについてご説明します。

私たちがものを食べると、胃で消化して、小腸の壁から食べ物の成分が吸収され、血液中に取り込まれて、肝臓に運び込まれて、体に害のあるものは、解毒されます。

薬は私たちの体にとっては異物なので、薬を飲むと、小腸の内側の壁から吸収されて、血液中に薬の成分が流れ出すときに、薬の成分を一部、代謝・分解しようと薬物代謝酵素「チトクローム P450(CYP3A4)」が働きます。そして薬の働きを少し抑えた状態で血液中に取り込まれた薬の成分は、小腸の次に肝臓に運ばれて、同じ薬物代謝酵素(CYP3A4)でさらに代謝・分解されます。

ところがグレープフルーツ(ジュース)には、薬の成分を代謝・分解して薬の効果をマイルドにする薬物代謝酵素(CYP3A4)の働きを弱めてしまう成分があるのです。この成分が「フラノクマリン」というフラボノイドの一種で、グレープフルーツの果肉や果皮の渋みや苦味のもとになる物質です。

この「フラノクマリン」、実はグレープフルーツだけでなく、夏みかん、スウィーティー、いよかん、ポンカン、ブンタンなどにも含まれていますが、グレープフルーツが最も消費量が多いため、大きくクローズアップされているのです。

ちなみに、バレンシアオレンジ、レモン、カボス、ウンシュウミカン、マンダリンオレンジなどには、「フラノクマリン」は含まれていないので、薬に影響を与えないことがわかっています。

グレープフルーツは若さと健康維持に貢献

一方でフラボノイドが、とても健康にいいことをご存知ですか? フラボノイドは、植物が持つ色素、苦みや辛みの素になり、鮮やかな色や苦味、渋みで、植物は紫外線や害虫から自分を守っています。これらの成分は「フィトケミカル」とよばれ、植物の生命力の源であり、強い抗酸化力を持ち、それを私たちが食べることで、若さと健康を維持することに貢献することが少しずつ明らかになっています。

フラボノイドの一部は、健康維持のためにサプリメントなどにも活用されています。たとえば大豆に含まれ、更年期症状を改善する「イソフラボン」、ブルーベリーに含まれ目の健康を助ける「アントシアニン」、緑茶に含まれ生活習慣病を予防する「カテキン」などが有名です。

ではグレープフルーツに含まれるフラボノイドだけが危険なのか? というと、それはまったくの誤解です。グレープフルーツには「フラノクマリン」以外にもたくさん含まれているフラボノイドは、ビタミンCの吸収を促進して、血管を丈夫にしたり、美肌のもとになるコラーゲンの合成を助けます。さらに免疫力を正常に保ち、病気になりにくい体をつくります。

グレープフルーツの酸味の素であるクエン酸は、体に溜まった疲労物質の「乳酸」を代謝して、疲れを取り、さらに唾液や胃液の分泌を高めて消化を助けます。

グレープフルーツの香りには、食欲を抑えて、疲れを取り、気分を安定させることが知られています。またグレープフルーツ自体も、低カロリーですが、食べごたえがあり、みずみずしいフルーツなので、満腹感を感じやすく、ダイエットに最適です。

さらにグレープフルーツの果皮や皮には、食物繊維の「ペクチン」が豊富で、腸の働きを整え、便秘がちの人にうれしいフルーツです。それだけでなく、食物繊維の「ペクチン」は、体に溜まった老廃物や不要なミネラル、重金属、放射性物質などを体の外に排出してくれるデトックス効果もあります。さらに「ペクチン」には、余分なコレステロールを排出して、血液中のコレステロールの値を下げる働きもあります。

またグレープフルーツには「カリウム」も含まれているので、血圧を下げたり、心臓や筋肉の正常な収縮運動を助けたりして、動脈硬化や心臓病を予防します。

グレープフルーツ自体に高血圧、脂質異常症予防効果もある!

グレープフルーツは相性が悪い薬もいくつかありますが、逆にたくさんの健康効果が認められているフルーツです。グレープフルーツ自体が、高血圧を予防したり、コレステロール値を下げる働きがあるのです。

最近では、人間ドック学会が、血圧やコレステロール値の正常値を見直すコメントも発表され、今までの正常値よりも高値であっても、十分に健康を維持できることも報告されています。

健康を維持するために薬を飲み続けることは、とても大切ですが、時には、飲み続けている薬が、今の自分に本当に必要かどうかを確認する必要もあります。また食生活や生活態度を見直さずに、薬に頼り続けて、不摂生を続けるのもよくありません。

もしかしたら、運動を始めたり、日常生活でこまめに体を動かすように努めることで、薬が必要なくなる可能性もあります。塩分を抑えたり、揚げ物、炒め物を少なくすることで、血圧やコレステロール値も正常値になるかもしれません。

グレープフルーツと薬の相互作用について、わかりにくい部分もたくさんあります。それは、グレープフルーツの産地や生産時期、種類によって、「フラノクマリン」の量も異なり、どのくらいのグレープフルーツを食べたり、ジュースを飲むと薬との相互作用が起きるのかが明確ではありません。

また薬の副作用は、個人差があり、副作用が出やすい人、出にくい人など、人によって差が大きいことも、グレープフルーツと薬の関係を明確にできない理由です。

該当する薬を飲んでいる人は、医師に相談してみることをお勧めします。グレープフルーツと薬の関係を知ることで、あなたの健康管理について再チェックするきっかけになればうれしいです。

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